MOVIE SOLILOQUY

 

2006.10.14 (SAT.)

 

 

「好きな歌がないのって、すごく哀しい」とキヨシローに語っている夢を見た。そしたら7月からの ツアーに入り込ませてくれるって。随分先だけどありがとう、夢の中のキヨシロー。。。

避けていた訳ではないが、何度か手には取りつつ結局これまで観ていなかった映画、「8人の女たち」。 このところ結構いいペースで映画観まくっているので、映画的集中力は快調のようだし、 これまで観ようかとは思ったけど観ていなかったDVD週間と相成りました。
「ボーン・アイデンティティー」を借りたのは、最近毎日昼休みに愛読している映画サイト 「シネマトゥデイ」にてシリーズ3作目の悪役が ガエル・ガルシア・ベルナルになりそうだというのを読んだからだけど・・・。 ヴァンサン・カッセル好きの私、今更「ドーベルマン」とかね。「ジェヴォーダン・・・」の値が 下がらず相変わらずカートに入ったまま。あと欲しいのは「スパニッシュ・アパートメント」。 そしたら「ドーベルマン」にロマン・ドュリスが出てた〜。
そう言えば、話飛ぶけど、「アタゴオル」が映画になったのね。なつかしー。高校生のときおつきあいして いた優秀な少年が、
ELVICE COSTELO PINK FLOYD とますむらひろしと高橋葉介が 好きでねぇ・・・。いや、ほんとなつかしい。

さて、「8人の女たち」。豪華です。冒頭からアガサ・クリスティ(特にポワロ)映画のような、 ヒッチコックのような、そんな頃の「映画美」を感じます。「ママが好きそう・・・」と先ず思った。 なんと言ってもカトリーヌ・ドヌーブはママの時代の大スター。変わらぬ美貌に貫禄も加わり・・・(^^;
ただ、ママはその頃のスターの中ではジャンヌ・モローが好きだった。暗いからだって。 やはり今でも活躍しています。「ニキータ」みたいな「あれ?出てる・・・」という出演作が結構 あったりして。まだ観ていないけど「ぼくを葬る」(監督はこの「8人の女たち」のフランソワ・オゾン) などなど、やはり現役。
チビた頃からカトリーヌ・ドヌーブのような華やかな美女より、影のあるジャンヌ・モロー。トリュフォーより ゴダール。ルノアールよりドガ。そんな家系。あ、ちなみに私は独自にディートリッヒが大好きだった (もっと古いって)。天使みたいにきれいだったから。

とにかくこれって、映像的にも創作的にもよき時代の映画を彷彿とさせる。「パリの恋人」みたいな、 創ってる人たち楽しそう・・・という映画。「ハリーの災難」のハリーのように、すごく重要な筈なのに まるっきり無視されているマルセルもそんな感じ。
美しい上に貫禄をプラスしてパワー・アップしたドヌーブと対を張っているファニー・アルダンは非常に 私の好みだったりする。カトリーヌ役のリュディヴィーヌ・サニエもとってもフランス的でかわいい。
これ、唐突なミュージカルです。これがまたいいんだ。「この世で一番美しい言語はフランス語だ」と どこかのフランス人が言ったらしいが、納得させられるイザベル・ユペールのピアノ・シーン。「もっと 語って」とついつい思ってしまうなんとも美しい響きのフランス語がたまらない。
それから、何を言っているのかは字幕がなければ全く一切わからないけれども、「孤独は悲しいから犬と 暮らそう」というなんとも言えぬ歌詞の曲。そして最後に初めて唄うダニュエル・ダリューの「確かなものは 何ひとつない、人間の強さも弱さも真心も 両腕を広げるとその影は十字架になる」という曲がまた もうなんとも。豪華に美しいんだけれども結局なんともナンセンス、でもやっぱり美しい。 ついついサントラが欲しくなってしまう映画だったりします。

サスペンスだから、一度観ればストーリーは完結だけれども、目と耳で何度も繰り返し観たくなる、 そんな一本ですね。