MOVIE SOLILOQUY

 

2004.12.25 (SAT.)

 

 

本日大変お世話になった以前の会社の上司が県内に呑みに来たと言うことで、風邪病み上がりだったけども 出動してきたっス。食べ過ぎてちょっとキモくなってる兎烏丸。。。 にも関わらず、帰宅後更にビールを呑み足しながらマイ・DVDの続きを観てた。

映画評論家の先生とか、最近めったにみかけない企画ではあるが、自分のベストな映画は何?みたいの って前ときどきTVでやっていたけど、それこそたった1本しか選ぶことができないとすれば睡眠薬を 通常の3倍も4倍も飲まなきゃ眠れない位の、しかもそれで眠れたとしてもまた目が覚めてから同じ悩みが ひたすら続いて3ヶ月で体重が半分になりましたっつー位の難しい課題ではないかと思われる。
かく言うワタクシも、シロウトだし、かつてはそれでも会社員(残業多)だったし、自分で選んだのしか 観ないし、そりゃプロフェッショナルな方々に比べたら、選ぶのが楽かと言うともちろんそんなことはない。 実際問題1本を選ぶのは不可能と言える。

が、だ。少なくとも5本の指には必ず入るであろう映画というものがあった。 観たのはたぶん・・・レンタルしたレトロなビデオ屋から推測しても10年位は昔。 公開されたのは1990年ということなので14年前。 レンタルで観たのはたった一度、それでも5本の指に入るというその映画とは、、、
ダダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「
コックと泥棒、その妻と愛人 」であります。

長いこともう一度観たくて仕方がなかったけど、そのレンタル屋からも間もなく姿を消してしまい、 何軒か新しくできたレンタル屋にもお目見えすることは決してないまま、何年かが経過。やがて 兎烏丸ご用達のインターネットDVD屋さんで検索しても存在は明かされぬままの歳月が過ぎていった。。。 実は私が絶賛したのを覚えていたすずちゃんが、一度だけWOWWOWで放映されたものを録画してくれたの だが、私の部屋は骨董屋さんか何かのように物が溢れ返っていて、どこに何があるのかが 宝探し的にわからない・・・。例えば買った本がどこにあるのかわからなくて結局また買うようなもん。 ましてや、DVDの時代ならば必ず欲しい1本!!だったのだが。。。
そしてついに、最近やっと 
I found it !! (?)な訳でありまして、 めでたくDVDが発売されたんですねぇー!!

ジャケットのコピーは「人間のあらゆる欲が渦巻く醜くも美しい10日間の物語」とある。
実際すばらしく美しい。コスチュームはゴルチエ。色が大変美しい。一番覚えていたのは タイトルの“妻”は 食事中ずっと赤いゴルチエのドレスを着ているのに、トイレに行くとドレスが白に変わる。つまり赤だったのは 照明のせい、という感じの演出。それから少年の歌。天使のような歌声の少年がひどい目に合うのだけど、 すばらしい食事と美しい音楽と、とにかく美しくて強烈な色々の中に、ものすごいえげつなさが混ぜてあって、 それがまた更に美しい、という映像なのですよ。

現在の有名どころではティム・ロスが出ているけど、知らなかった (^^;;; でも全然重要でもなんでも ないけどすごく重要な気もするような役だったりして。。。  あとはフランス映画でなんだか観たことあるかもしれない、っぽいリシャール・ポーランジェ(サブウェイにも 出てたらしい・・・)とか第一容疑者のヘレン・ミレンとか、キャストがものすごいスターじゃない、美形じゃ ない(すいません・・・)ところがすごく合っている気もする。
すばらしいレストランがあって、そこに毎晩泥棒とその妻と手下たちが食事に行く。泥棒はとにかく えげつない。そしていつも同じ席で食事をしながら読書している人がいる。キーワードがあるとしたら 「美食」?
私は決してグルメではないが、フランス料理をこよなく愛する。マナーは詳しくはないが、あんまりな人の ムナグラは掴みたくなる。ものすごく賢くはないが、アホな会話ばかりする人は変な目で見てしまう。 そして美しい色と美しい音楽を愛する。美しい服と美しいバッグと美しい靴を愛する。

色の強烈さ、とにかくそんな感じ。それはゴルチエに偏りすぎた観かたかもしれないのだけど、赤と黒、 赤が白に、赤が青に、緑にと、色のマジックに結構やられる。 初めて観たときとは違って、白いドレスが赤いのは同じように感じるけれど、白は白のままでもあり でも食事の色は赤で、青くなり緑になりまた赤くなり・・・それがなんとも美しいのですよ。
そういえばスタンダールの「赤と黒」を読んだことがある。母親が持っていた本だった。 赤と黒、黒と白、赤と白、黒と青、黒と緑、黒と青、肌色と黒、黒と茶色、茶色と赤、紫と黒、、、
とにかくそれはもう色が美しいっつーことです。

そういった訳で(どんな訳だ?)、全国民のみなさんがとりあえず「コックと泥棒、その妻と愛人」を観て、 お見合いの席なんかで「あなたは好きですか?」とか言う会話を交わせば、結構合う合わないの判断基準に 使える気がする謎の発想。気持ち悪いからイヤだ、という人もきっといるだろうし。
おう、まるでインドのようだ。好きか嫌いか。良し悪しではなく好みが別れるであろう映画です。 さあ、あなたはどっち???