MURMUR
2004.09.07 (TUE.)
帰りたくて T
6月から無職。「転勤か、辞職か」と悩んでいたのが今となっては遠い昔のことのよう。。。
辞めると決めた頃、前から行きたくて仕方なかった場所へ行こうと考えた。
それから3ヶ月、3回の旅行へ出かけたのでした。
それぞれについて、とても語り尽くすことはできないけど、とりあえず毎日ビデオまたはDVD三昧で
頭がボケそうなので、いよいよ何か書くことにした。簡単にだけど。
確かに語り尽くせないんだけど、どこへ行っても「私はきっとまたこの国へ戻る!」と思ったことは
もれなく書いておきたい。それだけそれぞれの国はやはり愛すべき場所だったということです。
つまり、タイトルの「帰りたい」とは、日本の自分の家へではなく、私の愛する場所へということ。
基本的なツアースケジュールは、各町で一日観光したら一日か半日はフリーというものだったんだけど、
ガイドさんが「この観光は明日にしましょう」とか言って、決まった観光は夕方涼しくなるまで
出かけない。なんだかいい加減に流されてしまった感じ。
で、フリーの時間があっても「危ないからひとりで外に出ちゃ絶対駄目!」と言われて
ただホテルで昼寝。。。
ひとりのツアーということと、オンナであるということがこんなに不便に思える瞬間って外にある?
で、観光の時間はNOKIAの携帯自慢を
延々と聞かされ、夜になると「なんであなたみたいな人が独身なんだ」と口説かれ半分責められる。。。
今もときどきメールくれるトモダチ(?)だけどさ。
私が一番とってもとっても気に入ったのは、ベナレス。やっぱりガンガー・マタ。
水色と白を基調にした狭い路地。勝手に闊歩する牛や山羊。糞と腐った野菜の臭い。
火葬場のすぐ下流で浮き輪つけて泳ぐ人たち、もう少し下流では古風な洗濯屋さんが仕事して、
その下流では髪を洗うおばさんの横で一心に祈る人々。。。
6月13日
今朝、5時前出発でカンガーへ。
バガバッティはガンガーのすぐそばだった。
だけど早朝だったので閉まっていました・・・。
あちこちヒンズー教のお寺を観て、お寺はもういいやって気になっちゃった。
そう思うとカルカッタへ行くのも面倒、なんて贅沢な・・・。
早朝牛や犬や糞だらけの道を歩いて、ガンガーが見えた瞬間、何かわからないけど、涙があふれてしまった。
我ながら「え?」と思ったけど。
そして昨夜のLUCKYさんの説明どおりに、下着とバスタオルを(疑問に思いながらも)持って行ったら、
着替えがなきゃ駄目だっつーの。「服はいいです」って言ったじゃん!!
既に私の身体は太腿まで入ってます。
仕方ないから足だけ入って、顔と腕をすすいだ。
近くのおばさんが足元気を付けなさいって仕草で言ってくれた。
ちきしょーと神聖な場所で思いつつ、顔にカンガーの水を浴びたとき、またしても止めようのない涙が
噴出してしまった。何故だろう。
ボートに乗っても止められず「泣いているんですか!?」とLUCKYさんに気づかれてしまい訊かれたので、
「なんででしょー、ずっと来たかったからかな」と答えた。なんでだろう。
それをグプタさんに通訳したら、「神様のお陰、また来てください」と言ってくれました。
ホテルに戻ったのは朝の8時頃で、また3時半まで何もしないと言う。かー!
結果、ひとりでもう一度カンガーへ行った。
三輪バイクのラジュさん。
今度はちゃんと首まで入って髪にも浴びて、うしろからラジュさんに水かけられたからかけ返したら、
足元が半端じゃなくぬるぬるなのでガンガーの中にコケそうになって、ラジュさんに助けてもらいました。
朝とはちょっと違う気持ち。
水浴びだったなー。緊張していたので眺めもせず帰ってきちゃった。
そう言えばガンガーでハガキを売ってる人が、ノーノーと断ったあとに「足元滑るから気を付けてネ」と
英語で言った。
朝の観光のときにも、断ったのに少年が「気を付けてねー。」と日本語で言ってくれた。
私は、コトバがわからないので断ったあとは誰しもさぞかしひどい悪態をついているだろう、と
思っていたんだけど、感動しました。
もちろん悪態ついてる人も居るだろうけど。
はあー、ベナレス駅、列車が2時間以上遅れた。
先日のホーム吸い溜め事件(?)があったので、もう駅から禁煙と思っており実行。ヒンズー教の
聖地だし。
今はまだ発車しておりません。ホームはハエだらけー。ハエが手をすり足をすりまくり!!ついでに
顔まで洗ってしまう、という状態でした。
インド旅行で一番つらいのは列車待ちでしょう、なんたって。今回は初なので3本も列車に乗るという
世間知らずな失敗をしてしまったが、次回はなんとか2本ということで・・・。
ちなみにベナレスに国際空港を造っているとか。すばらしい!!
インドの人には愛想笑いというものが95%くらいない。職業的には笑ってくれる人もいるけど。
さっきもホームで隣りに座ってた女の子が、めずらしかったのだろう、ジーーーーーーーーーーーーっと
見つめるからニッコリと薔薇の微笑を讃えちゃったりしたのに、表情がまったく一切変わらずまたもや
ジーーーーーーーーーーーーーっと見ているだけだった。でっかい目で。
ベナレスがとても気に入ってしまったにも関わらず、カルカッタのホテルについた時はホッとした。
「文明だ〜」と思って・・・。カルカッタのホテルはTVもちゃんと毎日映るし、こおろぎも死んでないから。
食事もすごく良かった。レストランのおじさんもやさしくて「ジャパニーズ、シュウマイ、ギョウザ」とか
言っちゃって。(それは中華では?とは言えなかったのね・・・)
中国から来たという酔っ払いのおじさんと、お互い片言の英語で会話して、通じてるんだかいないんだか、
というハプニングもあったし、横浜に住んでいるというインド人のおにいさんには「あなたに本当のカルカッタ
の夜を見せてあげたい」とか言われるし(丁重にお断りしたけれど)、カルカッタのガイドさんはインテリ
だったし、いろいろあったけど、やっぱりカルカッタも行ってよかった。
ちなみに私はヒンズー教の神様の中でカーリーが一番好きなの(好きとかそういう問題じゃないだろうけど
・・・)。だからカルカッタを含むツアーにした。カーリーのお寺はとてもきれいで
(写真はドッキネッショル寺院)、ヒンズー教徒じゃなければ中には入れないんだけど、
ちゃんと観光客用に中が見えるよう参拝者をかき分ける人がいる。たくましい。
赤と黒。カーリーはとにかく赤と黒。
6月14日
カルカッタに着いた。6:55予定が11;35着。アンビリーバボー。 カルカッタは都会だ。
ホテルに入ったとき「あー、文明だー!!」と心から安心した私って・・・。
でも外で工事しててめちゃくちゃうるさい。
煙草を20時間ぶりに吸って、何気なく歩いたら ふらふらふらーっと曲がってしまった。
サッチーさんはNHKのドキュメント(カブトガニのやつ)とかガイドしたって。いい人だったよ。
煙草も吸うし、ヒンズー教徒だし。・・・でも異様にテンション高いかも。
物乞いのヒトをはっきり「乞食」と呼び、交差点の彼らは以前見ると哀しくなったけど、組織でボスは
お金持ちだというTVを観て全然平気になったと言っていた。それでも私には笑えない。
カーリー寺院でも彼らを指して、「インドらしいでしょー」と笑っていたのは、なんとも言えない。
サッチーさんもそんなインドの一部なんだという気がした。
私がインドへ行きたかった理由、今ももう一度行きたいと思う理由、全然わからない。説明できない。
ずーっと絶えることのないものすごい喧騒や、いい人も悪い人もヒンズー教徒もシーク教徒も
イスラム教徒も逞しく生きていること、火葬された灰と はしゃぐ人と祈る人が混在している川、
こんな短いツアーでは、何も見えていないに違いない。だからもう一度いろいろなインドを確かめに
行かないと、と思っている。