MURMUR

 

2001.04.12 (THE.)

 

 

昨日代休で、免許の書き換え等に行った。もともと夜はタイ料理を食べに行こうと人と約束していたんだけど、 私が休みだと前日知って日ごろ勤勉に働きすぎているその約束の相手は自分も急遽休暇をとることにした そうで、私の所用が済んでから合流した。 私としては春だし、そろそろ休憩が必要なタイミングだったけど、 そちらは本当に日々のストレスに参っている様子で、しかも休み慣れていないので時間を持て余し気味であり 唯一の希望が「桜が見たい」ということだった。

通常ひとりの自主療養であれば特に目的もいい加減なもので、ぶらぶらと車を走らせ始めてから 「あ、やっぱりこっちにしよう」などというノリでそこいらの公園の駐車場で本を読んで終わるところを、 「どこへ行く?」と計画を決めることを迫られ躊躇していたが、ひとりだとなかなか思い切れない海がいい という気持ちがあり、相手は仕事仲間から上越の桜情報を聞いていたようで結局上越へと向かった。

高速を走っていくと、景色の中に咲いている花が梅か、あんずか、桜か、、、といった景色から、枯れた 色の景色へだんだんと冬に逆行していった。「なんか枯れてるね」と話す側から、今度は日陰の土手に 雪が・・・。途中目的地を南信へ変更するかという案もでたけど、「桜は諦めて」と言わざるを得なく なるところまで進んで、黒姫、飯山あたりは道路にはさすがに雪はないけれど、かいた雪の山が高々と 積みあげられて里の風景にも自然にまだまだ雪が残っている。山は山でまだスキーも盛ん、と思わせるくらい 白い。

初めの具体的な目的地は高田城跡だった。でもその雪を眺めている内に海へ直行ってもんじゃない? と思った。ところが不思議なもので今度は海に近づくと里に見える花が明らかに桜なのだ。 「おおっ、咲いてるじゃん」てな訳で高田で高速を降りる。どこに高田公園があるのかあいまいだけど、 ところどころに桜の塊がある。「観桜」の看板を頼りに到達すれば、平日とは思えない人手。そして満開の 桜・桜・桜。。。 まだ早いと思って来週にでも来ていたら終わっていたぐらいの満開だった。 それにあんなに屋台が出ている光景を見たのは生まれて初めてじゃないだろうか。

おでんや焼き鳥をつまみに車を置いてきた私はビールに耽る。老年の夫婦が散策している。 ベビー・カーを押した若い家族が何組も歩いている。フェンスの低いテニスコートで年配の スポーツ・ピープルが軟式テニスをしている。そのコートの脇の1本の桜の木の下では、座り込み三味線を 弾いている人がいる。ときどき人が立ち止まる。桜を指差し枝を仰ぐ。髪を掻き揚げる。 大きなカメラを構える。 ・・・暖かい風に吹かれてそれらを眺めていた。

そのあと海へ行った。貝を拾った。せっかく海へ来たからというんで、回転寿司でお寿司を食べる。

以前も誕生日にバイクを調達してもらって危なげなツーリングに出かけたとき、凍りついた池と 満開の桜を一日で体験したことがある。すごく不思議だった。

極上の一日だったと言えるだろう。けれども私のタチの悪いところは、この幸福が明日も続く訳ではないと、 その瞬間に思うことかもしれない。桜のときがとても短くて、この美しさがほんのしばらく後には散って しまうんだと思う切なさでなお美しいように、幸福をはなから続くものと思えないことがもどかしい。  帰る頃、すごく楽しかったのになんで怒ってるの?と聞かれた。怒っていたんじゃない。悲しかった。 幸福だったから。

そして今日の私は目が醒めて食あたりというのを経験しました。少し横を向くと吐きそうになる。 未だかつて食べ物にあたったことがないのは自慢だったけど、これはたぶんあたったんでしょう。 食材のせいではなく、あぶるべきタコの一夜干しを、ライター程度で少しだけあぶって平気で食べたので たぶんこれが原因かと・・・。 で、やつれる予定だったけど一日中一応は食べてあとは寝てたので、 逆にむくんでしまいました。。。 そして夕食時には胃がヒクヒクと痙攣しておりました。