MURMUR

 

2000.12.24 (SUN.)

 

日本海

 

加賀へ行った。宴会しかせず、観光らしい観光もしなかったけど車中から日本海を見た。

たぶん高校生の頃だと思うけど、冬の海を見に行きたいと思い立って友達と電車に揺られて新潟へ行った。 母が、雪で電車が止まったり何かあったときのために、と3万か5万かを持たせてくれた。 そのときの 冬の日本海は湿った雪が横殴りにひどく降っていて、全身びしょぬれになった。ロマンチックな哀しく荒れた 海を見に行った筈だったのに、ひどくシビアに寒かった。

後に最近までそのときのことを母が話していた。「もうこの子はこのまま帰ってこないかもしれない」 (死にに行くんじゃないか)と思い、なんとしてでも止めるべきか否か悩んだらしい。さんざん悩んだ挙句、 “それも運命”と腹を決めて見送ったという。 それから数時間後、そんな母の葛藤をしらない私は 大衆食堂の公衆電話で家に電話をかけた。

「すげー寒いよ! 今大衆食堂でオバちゃんがストーブあたらせてくれてんだけど、雪に砂浜の砂が 混じってビシビシ痛いし、もぉパンツまでびしょびしょさぁ。日本海をなめたらイカンねぇ!! あ、 ○○時の電車で帰るから〜。」と。。。

 

今日、おねいちゃんがゆうたに絵本をプレゼントした。「ラブ・ユー・フォーエバー」という本だった。 すばらしい本だ。「いいねぇ、すてきだねぇ・・・」と言いつつまたもや目に涙があふれそうだった。 近頃ふとした拍子に涙がボロボロとあふれてしまうことがある。 私もいつか母親になる日がくるのかどうか わからない。ならないかもしれない。なれないのかもしれない。悲しいことだと思った。

   私がいきているかぎり、あなたは私のおかあさん。

Merry Christmas ・・・